育児と食

妊娠や育児に関する食に関する情報を専門家の立場から、母親、妊婦の立場から発信したいと思います。オーストラリアでの育児、妊娠、ジェンダー論に関する雑記も多いです。どうぞよろしくお願いします!

妊娠初期胎児スクリーニング・出生前診断をうっかり受けてしまった(前編)(13w0d)<出産後の追記あり>

タイトル通り、うっかり日本でいう妊娠初期胎児エコースクリーニング検査を受けてしまったのです。

 出生前診断はオーストラリアの方が進んでいる事実

認識が完全に甘かった。日本は出生前診断後進国です。イギリス・オーストラリアなどは先進国なのでした。日本は医療水準は世界トップレベル、新生児医療は世界一くらいなのですが、倫理観の違いなのか、出生前診断についてはまだ整備されていなかったことをすっかり忘れていました。

オーストラリアで行なっている出生前染色体検査の流れ

非確定的検査(染色体異常の疑わしさの確率を調べる・リスクは無し)

①妊娠初期胎児エコースクリーニング検査・・・200AU$(16,000円)
②母体血清マーカー検査(クアトロテスト)・・・30AU$(2,400円)*1

↓年齢リスクより染色体異常の確率が高い場合
③母体血胎児染色体検査(新型出生前診断)・・・400AU$(32,000円)*2

↓③で陽性になった場合、もしくは②が陽性の時点で確実に結果を知りたい場合

確定検査(染色体異常が確実にわかるが、0.3%の流産リスク有り)

④羊水検査・・・400AU$(32,000円)*3

エコースクリーニングを受けてしまった

家族の中での総意として第一子の妊娠時からクアトロテストやエコースクリーニング検査は受けないと決めていたので、第二子もその予定でした。そもそもエコースクリーニングは東京都内でも数少ない病院でしか受けられないので、まさかオーストラリアの片田舎で受けてしまえるとは・・・完全に勉強不足でした。

私の誤っていた認識ではエコースクリーニングでは胎児の身体の様子から様々な発育不全を発見するものだと勘違いしていたのです。実際、そのようなスクリーニングは日本でも比較的行なっている病院は多いし、私もそれは前回の妊娠でも受けていたのです。

まさか、染色体異常の確率までバシっと出してしまうとは・・・

首のむくみってやつね

日本の通常のエコーでも医師は首のむくみ(NT)を見ています。むくみを見ているわけではないのですが、ここではよく使われているむくみという単語を使います。ただし、見ているだけで、正確な診断はされておらず、「ちょっとむくんでるね〜」とか、ふわっとした判断をされたり、逆に対してちゃんと測っていないのに、「むくんでいるから染色体異常の可能性が!」と言われたり、日本の妊婦さんに不安を与えてしまっているようです。日本だとまだこのNT値を正確に測れる人が100人もいないとか。そもそもこのNTの扱いが学会でもうまくまとめられていないとか。

わかりやすく説明してあるサイトはこちら↓

yomidr.yomiuri.co.jp

胎児の首のむくみ(NT) – クリフム夫律子マタニティクリニック

でも、オーストラリアはNTが本場のイギリスの植民地だったので・・・そう、完全に妊婦はイギリス式で検査が進みます。NTを測るプロフェッショナルがおり、超音波の機械も日本で見てきたやつよりだいぶ高性能なマシンでしたし、計算ソフトも使用していました。

あとは首のむくみだけではなく、鼻の骨の形成や心臓の形成などもスクリーニングし、画像からわかる総合的な評価を行います。

ま、結果が悪かったんだけどね!!!

そう、NTが見られてしまったのです・・・なので33歳妊婦の中では染色体異常の胎児を持つリスクは高くなりました。どれぐらい高いかは言うとびっくりされそうなので具体的な数字は控えますが、普通の33歳妊婦の数倍です。数倍としたのは国の基準によって違うためです。イギリスの基準はかなり厳しめ、他の国はゆるめ、日本の基準はその中間というかんじ。人種によって異なるという見解の医師もいます。

NTはあくまでその場の画像一発勝負なので基本は血液検査であるクアトロテストとの結果を加味して総合判断を行います。今回は首のむくみのみが見られたため、パッと見の結果は悪かったのですが、血液検査の結果次第では、そこまで深刻ではないと言われました。

今回は私の認識ミスでNTを測定してしまったのですが、医師からはちゃんとした結果を出すためにせめてクアトロテストを実施するか、それを飛ばして新型出生前診断をした方がいいのではないかとおすすめされました。

 長くなったので次回に続く・・・

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追記

私の妊娠後期に出版された本で出生前診断について丁寧に書かれたものがあります。あーこれ受ける前に読んでおきたかったよ・・・と思いました。

内容は出生前診断はどのようなものか・何がわかるのかと言う基本的なところから、それぞれ出生前診断を受けた人のインタビュー(これがちゃんと考えがバラバラの人を集めてあって参考になる!)、出生前診断のための遺伝子カウンセリングのことなどなど。

これまでも出生前診断についてはたくさんの本が書かれてますが、ちょっとかためであったり、あまり妊婦が主体ではない話が多かったりでした。まずは受けようか悩んでいる人はとっつきやすいこちらから読むことをお勧めします。

後日談

2017年12月に無事出産をしました。その結果はこちら↓

 

www.ikuji-food.com

 ぜひ読んで頂けると嬉しいです。

*1:①と②の検査はオーストラリアの妊婦は全員行います(外国人のぞく)

*2:日本のように年齢制限があったり、医療機関によって検査を止められたりしないので、(というか、むしろ推奨される)全体的に検査の値段は安いです。エコーは普通のエコーも同じくらい高いのでこのテストが特別高いわけではないです

*3:オーストラリア人の妊婦は羊水検査を受けるのにそこまで抵抗もないらしく、羊水検査で陽性が出た場合はオーストラリア人の97%以上は中絶を選ぶそうです。永住権・国籍を持っている方は検査は無料です。外国人は全部自費です。ある意味、日本の高齢出産を控えている方はオーストラリアでチャチャっと受けた方が速いし安いかも。